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Google Workspaceの活用事例に学ぶ、中小企業のAI・DX。身近な仕事で試せる5つのヒント

中小企業のAI・DX活用

こんにちは。アイエーアイの藤本です。

Googleから届いた「Google Workspace 活用事例集」を読んでいて、「これは中小企業でも参考になるな」と感じました。掲載されているのは大企業や自治体も多いのですが、困っていることを見てみると、意外と私たちの身近な仕事と重なります。

「最新の資料がどれか分からない」「同じ質問に何度も答えている」「毎月の集計に時間がかかる」。皆さんの会社でも、思い当たることはありませんか。

今回は、34の掲載事例から5つを選び、少人数の会社なら、どこから取り入れられるかという視点で整理してみます。大がかりなシステムづくりの前に、日々の仕事を少し楽にするヒントとして読んでいただければと思います。

中小企業の経営者とスタッフが、情報共有とAI活用で仕事の進め方を考えるオリジナルイラスト
いつもの仕事を一つ選び、少人数で試すところから始めましょう。

忙しい方へ。今回お伝えしたい3つのこと

  • 資料の置き場所と共有方法を決めるだけでも、改善の出発点になります。
  • AIには、文章の下書きや資料の整理を手伝ってもらう。事実の確認と最終判断は人が担当します。
  • まずは一つの業務を、少人数で試す。確認や修正の時間も含めて効果を測りましょう。

この記事はGoogle発行「Google Workspace 活用事例集」(2026年5月版)をもとに、当社が要約・解説したものです。「中小企業なら」の各項目や手順、依頼文は当社からの提案で、掲載企業が実施した内容とは区別しています。掲載事例の成果は各社の条件下でのもので、同じ効果を保証するものではありません。Google公式の事例集紹介

まず、Google Workspaceは何ができるもの?

Google Workspaceは、会社のメールやカレンダー、ファイルの保管、文書の共同編集、オンライン会議などをまとめて使えるサービスです。例えば、Google ドライブに資料を置き、Google スプレッドシートの同じ表を、必要なメンバーが一緒に更新できます。

そこに、文章作成や情報整理を手伝うGeminiなどのAIを組み合わせられます。事例集でよく登場するNotebookLMは、指定した資料をもとに内容を整理したり、質問に答えたりするための道具です。※本稿は事例集に合わせてNotebookLMと表記します。Googleの現行公式案内では「Gemini Notebook」への名称変更が案内されています。

機能の範囲や利用上限は、契約プランや管理者の設定などで変わります。「申し込めば紹介されていることが全部できる」とは限りません。導入前に、やりたい業務と使える機能を照らし合わせておきましょう。プランの公式案内/名称・利用条件の公式案内

図解① 仕事を楽にする、3つの役割

01 情報をそろえる
ドライブ・ドキュメント・スプレッドシート
必要な人が、同じ資料を見られるようにする。
02 AIに手伝ってもらう
Gemini・NotebookLM
下書き、要約、資料をもとにした情報整理。
03 人が確かめて、仕事に使う
担当者・確認者
事実、金額、期限、表現を確認し、判断する。
当社作成。各ツールの役割を説明する概念図です。すべてが自動で連携することを示したものではありません。

事例① ビームス:個別メールの集計を、みんなで更新する表へ

Googleの事例では:ビームスでは、本部と店舗間の情報共有を個別メールからスプレッドシートへ切り替え、複数の社員が共同で入力・集計できるようにしました。情報を集める手間を減らしたことが紹介されています。(事例集27ページ)

中小企業なら:営業の進捗、店舗の日報、備品の不足報告など、まず一つを共有表にしてみましょう。「各自がメールで報告し、事務担当者が転記する」という仕事があれば、見直す候補です。

例えば、日報なら「日付・担当・実施内容・困りごと・次の対応」の5項目から。更新する時間、入力担当、確認担当も決めます。顧客情報などを扱う場合は、必要な人だけが見られる設定にしてください。

最初に測ること:集計に何分かかるか、転記ミスや確認の往復が何件あるか。「AIを使う前にできる改善」も、ちゃんとDXの一歩になります。

参考:Google公式・ビームスの導入事例

事例② 星野リゾート:企画と文章づくりを、AIとの共同作業に

Googleの事例では:星野リゾートは、施設の魅力を考えて発信する「魅力造成」の業務にGeminiを活用。アイデア出し、文章作成、校正などを通じ、この業務の時間を約30%削減したと紹介されています。AIが出した案を、人が絞り込む使い方です。(事例集15ページ)

中小企業なら:自社サービスの紹介文、店頭POP、SNS投稿、採用案内の下書きに応用できます。最初から完成原稿を求めるより、伝えたい事実と相手を決めて、複数の案を出してもらうと比べやすくなります。

そのまま応用できる依頼文

以下の確定情報だけを使って、当社サービスの紹介文を3案つくってください。対象は地域の中小企業の経営者です。各案200字程度で、専門用語を避けてください。実績や効果の数字は創作せず、足りない情報は質問として挙げてください。
【確定情報】ここに、公開してよいサービス内容・対象者・強みを記入

価格、納期、実績、お客様の声などは、人が必ず確認します。下書きが早くできても、確認に時間がかかりすぎていないかまで見ておきたいですね。

参考:Google公式・星野リゾートの活用事例

事例③ ソラスト:ベテランの知識を、引き継げる形にする

Googleの事例では:医療・介護・保育サービスを展開するソラストでは、個人に依存していた知識や経験の共有が課題でした。Google Workspaceに情報を集約し、GeminiやNotebookLMを使った知識の継承と業務の標準化を進めています。(事例集13ページ)

中小企業なら:まずは「いつも同じ人に聞いている質問」を10個集めてみましょう。休暇の申請方法、見積書の作り方、受注後の流れなど、繰り返し聞かれることから始められます。

次に、正しい手順書や社内ルールを担当者が確認し、利用を認めた資料だけをNotebookLMに登録します。最初の試行では、機密情報や個人情報を含まない資料を選ぶと進めやすくなります。

資料をもとに質問するときの依頼文

登録した手順書だけを根拠に、見積書の作成から社内確認までの流れを説明してください。根拠となる資料の該当箇所を示し、資料に書かれていないことは「確認が必要」としてください。

AIが参照箇所を示しても、その内容と回答が合っているかは確認が必要です。資料の更新日と管理担当を決め、古い手順を残したままにしないことも大切です。AIに聞ける状態と、正しい情報が保たれる状態を、一緒につくりましょう。

事例④ コシダカ:問い合わせを、対応状況が見える仕事にする

Googleの事例では:「カラオケまねきねこ」を展開するコシダカホールディングスは、店舗からの問い合わせにGoogle フォームとGoogle Apps Script(GAS)を活用。投稿をきっかけにチャットのスペースを作り、担当者を割り当てる仕組みで、対応漏れの削減につなげています。コードの生成にもGeminiを使っています。(事例集41ページ)

中小企業なら:最初は自動化せず、フォームと対応一覧だけでも試せます。社内からの依頼を一つの受付に集め、受付日、依頼内容、担当者、期限、状況を管理する方法です。電話やチャットで受けた依頼も担当者が記録すれば、見落としを減らす運用につながります。

図解② 少人数の会社で試す、問い合わせ管理

受付をそろえる
フォームで受け付ける。電話などの依頼は担当者が記録。

一覧で確認する
担当者・期限・未対応/対応中/完了を記入。

毎日、未対応を確認する
まず運用を定着させ、必要なら通知の自動化へ。

当社提案。コシダカの仕組みをそのまま再現した図ではありません。

GASは、Googleのサービス上で処理を自動化するためのプログラムです。AIがコードを書けても、そのまま本番で動かしてよいとは限りません。自動通知などを追加するときは、テスト用データで動作と共有範囲を確認し、管理担当、止め方、エラー時の対応も決めましょう。

事例⑤ 船井総研:使い方を共有して、社内に根づかせる

Googleの事例では:船井総研ホールディングスでは、実務で使える事例を職種別にまとめ、説明会や活用事例の共有企画を実施。事例集では、導入後もGeminiの利用率約97%を維持したと紹介されています。(事例集29ページ)

中小企業なら:大きな研修会を開かなくても、週1回、15分の共有から始められます。「どの仕事で」「どんな依頼をして」「どこを人が直したか」を、一つずつ持ち寄ってみましょう。

便利だった依頼文を共有ドキュメントに残し、うまくいかなかった例も一緒に記録します。使う人だけが詳しくなる状態を避け、困ったときに相談できる人を決めておくと続けやすくなります。

利用率は定着を見る一つの指標ですが、自社では作業時間、修正回数、対応漏れなど、仕事がどう変わったかも確かめましょう。

参考:Google公式・船井総研グループの活用事例

うちの会社なら、どこから始める?

道具を選ぶ前に、今いちばん困っている仕事を一つ選んでみてください。目安を整理すると、こんな組み合わせになります。

今の困りごと最初に試すこと
転記や集計に追われる入力項目をそろえた共有表を一つつくる。
紹介文を書くのに時間がかかる公開可能な情報をもとに、Geminiで下書きを3案つくる。
同じ質問が一人に集中する正しい手順書とFAQを整え、資料をもとにしたAIでの確認を試す。
依頼の対応漏れがあるフォームと対応一覧を用意し、毎日未対応を確認する。
AIを使う人が増えない週15分、実際の仕事で使った例を共有する。
当社による活用の提案。全社で一斉に切り替える必要はありません。

すでにMicrosoft 365や別の仕組みが定着しているなら、移行の負担も考えましょう。今回の事例から学べるのは、情報の置き場所、仕事の受け渡し方、知識を残す方法です。今の道具で改善できる部分があるかを確かめることも大切だと思います。

最初の30日間は、こんな進め方で

以下は当社が考える試行の一例です。専任のIT担当者がいない会社でも、現場の担当者と確認する人を決めて、小さく試せる形を目指します。

図解③ 一つの業務で試す、30日間の進め方

1週目|困りごとを一つ決める
作業時間・回数・ミスを記録。使う資料と担当者、確認者を決める。

2週目|2〜3人で試す
入力項目や資料をそろえる。AIの出力は人が確かめて使う。

3週目|使いにくい点を直す
分かりにくい項目、古い資料、確認に手間がかかる依頼文を修正。

4週目|続けるか判断する
確認・修正まで含めた時間と品質を比較。続ける・直す・やめるを決める。

当社提案。試行期間や人数は、自社の業務に合わせて調整してください。

例えば、1回30分の作業が確認込みで20分になり、月20回行うなら、削減時間は月200分です。これは効果の考え方を示す仮の計算です。浮いた時間をそのまま人件費削減と考えるより、お客様への対応や提案にどう使えるかまで考えたいですね。

費用を見るときは月額利用料だけでなく、初期設定、資料の整理、研修、運用管理の手間も含めます。計算例なら「月200分の余裕」とこれらの負担を比べて、続ける価値があるかを判断します。

安心して使うために、最初に決めたいこと

AIやクラウドを仕事で使うときは、便利さと一緒に、情報の扱い方も整えておきましょう。まずは次の項目をA4一枚にまとめるくらいからで十分です。

  • 仕事で使うアカウント:会社が管理するアカウントを基本にし、退職・異動時の引き継ぎ担当も決める。
  • 共有する相手:資料やAI用のノートは、必要な人にだけ共有する。管理職用と全社員用の資料も分ける。
  • AIに入力してよい情報:契約や社内ルール、顧客との約束を確認する。判断に迷う情報は、確認するまで入力しない。
  • 確認する人:金額、期限、契約条件、顧客への回答は、人が原資料と照合してから使う。
  • 更新・管理する人:手順書の更新日、自動処理の管理者、困ったときの連絡先を残す。

Googleは、対象となるWorkspace契約での生成AIについて、組織向けのデータ保護を説明しています。ただし、その条件を個人向けの無料アカウントなどに一律に当てはめることはできません。利用するアカウント、契約、管理設定を確認しましょう。Google公式:生成AIのプライバシーに関する説明

情報の管理については、当社の「中小企業が今できる情報漏えい対策」でも、身近な確認ポイントを紹介しています。

「うちの、この仕事を楽にしたい」から始めましょう

今回の事例を読んで、私が参考になると感じたのは、身近な仕事の流れを見直している点です。共有表に入力する、手順書を残す、使い方を同僚に教える。そうした積み重ねの中に、AIが役立つ場面があります。

まずは「毎週、これに時間がかかっている」「この人が休むと困る」という仕事を一つ、挙げてみてください。何をAIに任せられるか、人がどこを確認するか。その境目を一緒に考えるところから始められます。

アイエーアイでは、Webサイト制作、DX推進、AI・データ活用のお手伝いをしています。今使っている道具や、社内の体制も伺いながら、取り組みやすいところを一緒に整理していきます。

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出典・参考資料

公式情報の確認日:2026年10月18日。仕様・名称・提供条件は変更される場合があります。本文の図解は当社作成、イラストはAI生成によるオリジナルです。事例集の写真・図版・企業ロゴは転載していません。

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