大手企業でも相次ぐ不正アクセス。中小企業・個人事業主が今すぐ確認したい5つの対策

中小企業・個人事業主のWebサイトセキュリティ
最近、ニュースで「不正アクセス」「個人情報の流出」といった話題を目にする機会が増えています。
2026年11月には、ワークマンやアソビューなど、私たちにも身近な企業で情報漏えいが公表されました。
「大手企業の話だから、うちには関係ない」
そう思っていませんか?
実は、不正アクセスのリスクは企業の規模に関係なく存在します。
小規模な会社や個人事業主でも、ホームページやメール、オンラインサービスを利用していれば、決して他人事ではありません。
今回は、最近のニュースをきっかけに、中小企業や個人事業主が今すぐ確認しておきたい5つのセキュリティ対策を、できるだけわかりやすくご紹介します。
1. なぜ今、不正アクセスが話題になっているのか?
2026年11月には、外部のメール配信サービスへの不正アクセスによる情報流出を、複数の企業が公表しました。
例えば、レジャー施設などの予約サービスを運営するアソビューでは、外部のメール配信サービスが不正アクセスを受け、15,821,184件(約1,582万件)の会員情報が流出したと2026年11月3日に公表しました。パスワードとクレジットカード情報は流出の対象に含まれないとしています。11月6日の追記では、対象者へのメール報告を11月5日19時時点で完了したとしています。
また、ワークマンも11月4日、同じメール配信会社への不正アクセスによって、オンラインストアのメールマガジン利用者のメールアドレス(最大約145万件)が流出したとの報告を受けたと公表しました。メールアドレス以外の情報流出はないとしています。
ここで注目したいのは、自社のホームページが直接攻撃されたわけではなく、利用していた外部サービスを通じて情報が流出したケースがあるという点です。
例えば、皆さんの会社でも次のようなサービスを使っていないでしょうか。
- ホームページのお問い合わせフォーム
- メールマガジン配信サービス
- ネットショップや予約システム
- 顧客情報を管理するクラウドサービス
- Webサイトを管理するWordPressなどのCMS
どれも便利な仕組みですが、セキュリティ上のリスクに備える必要があります。適切な管理をしていても、外部サービス側の事故によって影響を受ける可能性があるため、委託先や預ける情報の範囲も確認しましょう。
2. 中小企業や個人事業主も狙われるの?
「うちは顧客数も少ないし、狙われるような情報は持っていない」
そのように考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、不正アクセスは必ずしも特定の有名企業だけを狙って行われるわけではありません。
古いソフトウェアの弱点を探したり、推測しやすいパスワードを使っているサイトを狙ったりする攻撃もあります。
例えば、次のようなことが起こる可能性があります。
ホームページが改ざんされる
自社のホームページに不審な広告や偽のページが表示され、お客様が危険なサイトへ誘導されることがあります。
お問い合わせ情報が流出する
フォームで受け付けたお客様の名前やメールアドレスなどが外部に漏れる可能性があります。
ホームページが突然使えなくなる
不正なプログラムを設置されたり、サーバーに問題が発生したりして、サイトが表示できなくなるケースもあります。
会社の信用に影響する
万が一、お客様の情報が流出すれば、原因調査や対応に時間がかかるだけでなく、会社の信用にも影響しかねません。
だからこそ、規模に関係なく、最低限の対策をしておくことが大切です。
3. 今すぐ確認したい5つのセキュリティ対策

ここからは、専門知識がなくても確認できる5つのポイントをご紹介します。
① パスワードを使い回していませんか?
ホームページの管理画面、メール、サーバー、クラウドサービスなどで、同じパスワードを使っていないでしょうか。
もし一つのサービスでパスワードが漏れてしまうと、同じパスワードを使っている別のサービスにも不正ログインされる危険性があります。
確認したいこと
- サービスごとに異なるパスワードを設定しているか
- 長く推測されにくいパスワードを使用しているか
- 二段階認証・多要素認証を利用できるサービスでは有効にしているか
- 退職したスタッフのアカウントが残っていないか
特にホームページの管理者アカウントは、優先的に確認しておきましょう。
② ホームページのシステムは更新されていますか?
WordPressなどで作られたホームページには、定期的な更新が必要です。
スマートフォンやパソコンと同じように、ホームページを動かすシステムにもセキュリティ上の弱点が見つかることがあります。
WordPress本体だけでなく、プラグインやテーマ、PHPなどの更新も重要です。
確認したいこと
- WordPress本体が適切に更新されているか
- プラグインやテーマが更新されているか
- 古いPHPなど、サポートが終了した仕組みを使っていないか
- 使っていないプラグインが残っていないか
ただし、更新によって表示や機能に不具合が生じる場合もあります。
大切なホームページほど、バックアップを取り、必要に応じて検証したうえで更新することをおすすめします。
③ ホームページのバックアップはありますか?
もしホームページが改ざんされたり、データが消えてしまったりした場合、バックアップがなければ復旧に多くの時間や費用がかかる可能性があります。
ホームページを制作したときのデータが残っているだけでは十分とは限りません。
日々更新している記事や、お問い合わせに関するデータなども考慮する必要があります。
確認したいこと
- ホームページのバックアップを定期的に取得しているか
- データベースも保存されているか
- バックアップを安全な別の場所に保管しているか
- 実際に復旧できるか確認したことがあるか
「バックアップがあると思っていたけれど、復旧できなかった」という事態を防ぐためにも、復元方法まで確認しておくと安心です。
④ 外部サービスの管理はできていますか?
今回のニュースから学べる重要なポイントの一つが、外部サービスの管理です。
ホームページそのものが安全でも、連携している予約システムやメール配信サービスなどに問題が起きれば、影響を受ける可能性があります。
確認したいこと
- どの外部サービスを利用しているか把握しているか
- 各サービスにどのような顧客情報を預けているか
- 使わなくなったサービスや古い連携が残っていないか
- トラブルが発生した場合の連絡方法が決まっているか
特に、長年ホームページを運用している場合は、以前の制作会社が設定したサービスがそのまま残っていることも考えられます。
一度、利用しているサービスを整理してみることをおすすめします。
⑤ 万が一のとき、誰に連絡するか決まっていますか?

セキュリティ対策をしていても、不正アクセスのリスクを完全になくすことはできません。
そのため、何か起こったときに迅速に対応できるよう準備しておくことが重要です。
確認したいこと
- ホームページに異常があった場合の連絡先
- サーバー会社や制作会社への問い合わせ方法
- 管理画面にアクセスできる担当者
- お客様への連絡や説明を判断する責任者
- 不正アクセス時の調査・復旧の進め方
万が一、不正アクセスが疑われる場合は、慌ててファイルを削除したり、バックアップを上書きしたりせず、まずは専門の担当者に相談しましょう。
原因調査に必要な記録が失われてしまうこともあるため、適切な初動対応が大切です。
なお、個人情報の漏えいが発生した場合、内容によっては個人情報保護委員会への報告や本人への通知が必要となることがあります。
4. 自分の会社は大丈夫?簡単チェックリスト
ここまでの内容を、チェックリストにまとめました。
- □ ホームページの管理者パスワードを適切に管理している
- □ WordPressなどのシステムを定期的に更新している
- □ ホームページのバックアップを取得している
- □ 利用中の外部サービスを把握している
- □ トラブル発生時の連絡先が決まっている
一つでもチェックできない項目があれば、まずはその部分から確認してみましょう。
すべてを一度に改善する必要はありません。
大切なのは、自社の状況を知り、できるところから対策を始めることです。
5. ホームページは「作って終わり」ではありません
ホームページは、公開したら終わりというものではありません。
スマートフォンやパソコンと同じように、継続的な管理やメンテナンスが必要です。
デザインがきれいで、問題なく表示されていても、内部のシステムが古くなっている場合があります。
また、ホームページの制作会社に管理を任せている場合でも、契約内容によってはセキュリティ更新やバックアップが含まれていないことがあります。
「誰が、どこまで管理しているのか」
この機会に、一度確認してみてはいかがでしょうか。
まとめ|まずは自社のホームページを確認してみましょう
今回ご紹介した5つのポイントは、特別に高度なセキュリティ対策ではありません。
しかし、日頃から確認しておくことで、さまざまなトラブルのリスクを減らすことにつながります。
不正アクセスや情報漏えいは、大企業だけの問題ではありません。
中小企業や個人事業主にとっても、ホームページや顧客情報を安全に管理することは、大切な経営課題の一つです。
「うちのホームページは大丈夫かな?」と少しでも気になったら、まずは現在の管理状況を確認することから始めてみてください。
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アイエーアイ株式会社
参考情報
- IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」
- IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」
- アソビュー株式会社「委託先メール配信サービスへの不正アクセスに関するお詫びとお知らせ」(2026年11月3日公表、11月6日更新)
- 株式会社ワークマン「アララ社の不正アクセスによるワークマンオンラインストアメールマガジン 会員様メールアドレスの流出に関するお詫びとお願い」(2026年11月4日、PDF)
- 個人情報保護委員会「漏えい等事案が発覚した場合に事業者が講ずべき措置」
本記事は2026年11月6日時点の公表情報を参考に、アイエーアイが要約・解説しています。各事案の調査状況や被害範囲は、その後変更される場合があります。